この研究は、若年FTMが、胸の発達後に大きな苦痛（胸部の違和感）を感じることが多いことを示しています。未成年者（18歳未満）に胸の手術を推奨する専門的なガイドラインは明確ではなく、胸の手術が未成年者に与える影響についてのデータが不足しています。
そのため、この研究では、 胸オペを受けたグループと受けていないグループの間で、違和感のレベルを比較しました。

主な注目点

  • 手術を受けていないグループ: 胸部違和感のレベルが有意に高かったです。
  • 手術の重要性: 手術を受けていない参加者の94%が胸の手術を非常に重要と考えていました。
  • 手術後の合併症と後悔: 手術後のグループでは、乳頭の感覚喪失が最も一般的な合併症でしたが、重大な合併症はまれで、自己報告による後悔はほとんどありませんでした。

研究結果は、年齢ではなく個々のニーズに基づいて胸の手術を検討することの重要性を示唆しています。

目的

この研究の目的は、胸オペを受けたFTMと、手術を受けていない未成年FTMの間で胸部違和感の程度を比較することです。

デザイン、設定、および参加者

この研究は、都市部の病院関連の外来クリニックで行われ、テストステロンの使用の有無と胸部の苦痛に関するデータを収集しました。対象は、13歳から25歳までで、出生時に女性として割り当てられ、女性以外の性別を持つと認識される未成年でした。調査は2016年6月から2016年12月の間に臨床訪問や電話で行われました。

主な結果

  • 調査は合計136件の完了した調査を収集しました。調査時点での平均年齢は、手術を受けたグループでは19歳、手術を受けていないグループでは17歳でした。
  • 手術を受けていない参加者の胸部違和感のスコアは平均29.6で、手術を受けた参加者の3.3と比較して有意に高かったです。
  • 手術を受けていないグループの94%が胸の手術を非常に重要視しており、テストステロン療法を開始してから手術を受けるまでの月が経過するごとに胸部違和感は0.33ポイント増加しました。
  • 手術後のグループでは、手術の最も一般的な合併症は一時的または恒久的な乳頭の感覚喪失でした。

結論と関連性

胸部違和感は手術前の未成年者に高く見られ、外科的介入は未成年者と若年成人の両方に対してプラスの影響を与えました。これらの発見を考慮すると、専門的なガイドラインと臨床実践は、年齢ではなく個々のニーズに基づいて患者を胸の手術の対象とするべきです。